本日、デュピルマブ第Ⅲ相試験の全ての日程を無事に終了しました。
2015年7月に参加して以来、2年7か月という長期間に及ぶ治験も最終日を迎えることになりました。
予定より約1年の前倒し、さらに来月の最終通院日も繰り上げとなり本日終了することとなりました。
今回は、現在の状態と今後のスケジュールや気になる薬価についてもお伝えしようと思います!
目次
デュピクセント(デュピルマブ)最終投与から約2か月後の経過について
デュピクセントの最終投与日より約2か月が経過しました。
現在のアトピー性皮膚炎の状態は、ごく軽度の炎症が見られるが全体としてとても良い状態を維持しています。
具体的には、首回り・肩・デコルテ部分に軽度の炎症があります、1か月後の経過報告時と同様の部位です。
炎症部位には、処方されているボアラとヒルドイドの混合を適宜使用していますが、炎症が拡がったり、悪化することはなく十分コントロール出来ています。
乾燥と痒みについては、少し気になっていると前回の経過報告の際にお伝えしましたが、ぶり返しや症状の悪化ではなく季節的な要因だと思われます。
保湿に関しては、ヒルドイドの塗布量は増えていますが、かゆみについてはほぼ変化はありません。
薬の効果が継続し、維持出来ているようです。症状に関して、何か変化がある、または悪化するような予兆は今のところ感じません。
心配していた急激なリバウンドが起きることもないようです。
気になる今後のスケジュールは!?
デュピクセントの今後に関しては、4月に薬価収載される見込みのようです。
欧米では既に認可が下り、昨年から患者に処方されています。日本国内でも同じ容量用法での処方となります。
「今回承認された効能・効果、又は用法容量」
販売名 :デュピクセント(R)皮下注300mgシリンジ
一般名 :デュピルマブ(遺伝子組換え)
効能又は効果:既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
用法及び用量:通常、成人にはデュピルマブ(遺伝子組換え)として初回に600mgを皮下投与し、その後は1回300mgを2週間隔で皮下投与
デュピクセントの詳細はこちらから
デュピクセントの承認申請から病院での処方までの流れ
承認申請 2017年2月28日
⇩ (9か月) 通常品目12ヵ月、優先品目9か月
承認了承 2017年11月06日
⇩
製造販売許可 2018年1月19日
⇩ (原則)60日以内、遅くても90日以内
薬価収載 2018年4月予定
⇩ (原則)収載日から3か月以内
病院での処方 2018年4月頃
※薬価収載後、4月頃に処方される見込みです。
気になる薬価について
保険適用で年間40~50万
月額4万弱~5万程度となる見込み
医療費の助成制度について
現在加入されている保険により種類が異なります
会社員や公務員の場合 付加給付制度
国民健康保険の場合 高額療養費制度
さらに、年間所得に応じて還付が受けられます。
参考に(ヒュミラの場合)
http://pps.e-humira.jp/cms/pps/pdf/HUR1319BKA.pdf
治験を終えての感想
今回の治験は、二重盲検試験での参加から始まりました(後に、プラセボと判明)、この間はステロイド外用薬で症状を抑えていましたが、これまで受けてきた治療と変わらないと不安に感じながらもなんとかオープンテストに参加することが出来ました。
オープンテストに参加後、ステロイド外用薬とは違って、身体の中からスッーと炎症が引いていく様な感じでした。明らかにデュピクセントの効果だなって気づいたのは2~3週間後でしょうか、それからは1ヵ月2か月と肌の状態がどんどん改善していくことが解りました。
デュピルマブ(デュピクセント)治験に参加するまで、通算約20年程のステロイド治療、プロトピック軟膏、さらに脱ステ治療に加えて、米国での治療やシクロスポリンの服用をしてきました。既存治療に対する精神的、または身体的な負担は大きく、また副作用も懸念されることから長期的に安定させることが困難でしたが、この2年間を振り返ってみても、デュピルマブ(デュピクセント)治療に対する負担はほとんど感じませんでした。
この間、常に良い状態を維持出来ていたこともあり、アトピーの事を気にすることも少なかったような気がします。それほど、日常生活を普通に過ごせていたし、症状や見た目に対する不安も軽減されていたと思います。
私自身は、この治験に参加させて頂いてこれまで出来なかったこと、やりたいこと、我慢していたことが出来る様になりましたし、新しい目標も見つけることが出来ました。
また、ここからが新たなスタートだと感じています。
今現在、既存治療に不安や不満がある方、様々な情報に振り回されてどのような治療を受ければ良いのか分からない方がとても多いと思いますし、私自身もそうでした。
既存のアトピー性皮膚炎治療で困難されている方々は勿論、新薬を希望される多くの方が治療を受けられることを望んでいます。さらに、この新薬がアトピー性皮膚炎が抱えている社会的な問題について考える機会に繋がり、一人でも多くのアトピー患者さんの精神的または身体的な悩みや苦痛が軽減され、ごく当たり前の生活が送れるような希望となりますように。
最後に
今回、アトピー性皮膚炎患者の一人として貴重な治験に参加させて頂きまして、治験担当医をはじめ、治験コーディネーター、病院スタッフの方々、製薬会社、これまで治療をサポートしてくださった方々、治験への参加勧めて下さった方々、そして家族に対してあらためて感謝申し上げます。
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