アトピー新薬デュピルマブ、その効果は!?

Pocket

デュピルマブの効果は!?

さて、今回は皆さんが一番気になっている「デュピルマブの効果」について書いていこうと思います。

ネットで検索すると製薬会社の公式HPや海外メディアからの引用、個人のブログ等において「肯定的な結果」、「9割が改善」、「30%以上が改善」と様々ありますが、試験内容や評価法による違いがあります。

今回はサノフィ公式HPより最新のDupilumabの試験結果(2017年9月16日)を参照。 

最新の試験結果

Regeneron 社は、dupilumab の第Ⅲ相CAFÉ 試験(免疫抑制剤シクロスポリンA(CSA)による治療では十分なコントロールが行えない、またはCSA に対する忍容性が低い、あるいはCSA による治療が推奨されない中等症から重症のアトピー性皮膚炎の成人患者を対象とした試験における肯定的な結果を発表。

第Ⅲ相CAFÉ試験

第Ⅲ相CAFÉ試験 はシクロスポリン(免疫抑制剤)を使用しても十分な効果が得られない、または使用が難しい患者を対象としていること。

本試験は、欧州で16週間行われ325名の患者が参加、3つのグループに割り当てられDupilumab 300㎎ 毎週投与群+TCS(ステロイド)群、Dupilumab 300㎎ 隔週投与群+TCS群、またはプラセボ+TSC群となる。


※シクロスポリンは、国内ではアトピー性皮膚炎に対して使用が認められており、特に重症度の高い患者に対して、1日当たり3mg/kgから服用を開始し、1日当たり5mg/kgまでの服用が認められている。
また服用期間や服用方法もガイドラインで定められている。シクロスポリンは血圧上昇や肝・腎機能の低下等いった副作用が懸念されており、長期服用に対しては、有効性と安全性は確立されていない。

 

さらに、

本試験の主要評価項目は、アトピー性皮膚炎の病変の範囲と重症度を示す尺度であるEczema Area andSeverity Index(EASI)スコアが、16 週時点においてベースラインから75%以上の改善(EASI-75)を達成した患者の割合としました。このEASI-75 を達成した患者の割合は、dupilumab の毎週投与とTCS を併用した患者(以下、「dupilumab 毎週投与+TCS 群」とする)では59%、dupilumab の隔週投与とTCS を併用した患者(以下、「dupilumab 隔週投与+TCS 群」とする)では63%であったのに対し、プラセボとTCS を併用した患者(以下、「プラセボ+TCS 群」とする)では30%でした(いずれもプラセボ群と比較:p<0.0001)

副次評価項目である16 週時点のEASI スコアのベースラインからの平均変化率は、dupilumab 毎週投与+TCS 群では78%、dupilumab 隔週投与+TCS 群では80%であったのに対し、プラセボ+TCS 群では47%でした(いずれもプラセボ群と比較:p<0.0001)

Dupilumab初回投与から第16週終了時までの評価


EASIスコア(湿疹面積と重症度指数)が75%改善した割合

Dupilumab 毎週投与+ステロイド 群:  59%

Dupilumab 隔週投与+ステロイド 群:  63%

プラセボ+ステロイド 群:       30% 

 

EASIスコア(湿疹面積と重症度指数)の平均変化率

Dupilumab 毎週投与+ステロイド 群:  78%

Dupilumab 隔週投与+ステロイド 群:  80%

プラセボ+ステロイド 群:       47%

 

本試験は、ステロイド外用薬との併用(Dupilmabのみの効果ではない)であることやプラセボ群にも改善がみられることからステロイド外用薬の影響も大きいようです。

しかしながら、免疫抑制剤を使用する患者は既存治療(ステロイド治療)では効果が十分得られない患者を対象としていることや、プラセボ群よりも明らかに優位であることを踏まえるとDupilumabの効果は高いことが解ります。

また、私自身も、Dupilumab治験に参加する直前まで、免疫抑制剤を服用していました。
服用量は1日当たり5mg/kgの上限でした。このような経験から、やはりDupilumabの効果は既存の治療法よりはかなり高いと実感しています。

Dupilumabとステロイド外用薬を併用することで、その相乗効果でより症状を安定させることができるようです。

副作用について

今回の試験では、新たな有害事象は報告されていない様です。また、今回の試験で報告されたこれまでの副作用については、

                                                   結膜炎            注射部位反応   皮膚感染症

Dupilumab 毎週投与群+TCS群   16%       11%      4%
Dupilumab 隔週投与群+TCS群   28%        4%      2%
プラセボ+TSC群            11%        5%                      8%

 

Pocket

9 件のコメント

  • はじめまして
    いつもブログを読ませてもらっています

    デュピルマブの治験に参加されたとのことですが、他の治験のお声がけとかあったのでしょうか?
    また似たような製剤でトラロキヌマブの治験が始まったみたいですが、そちらに継続して参加するとかもできるのでしょうか?

    回答いただければ幸いです。

    • RYさん

      コメントの追加修正です。

      >また似たような製剤でトラロキヌマブの治験が始まったみたいですが、そちらに継続して参加するとかもできるのでしょうか?

      私が渡米治療でお世話になった現地の医療コーディネータのブログ情報です。
      アメリカでもLeo社トラロキヌマブ治験の第3相治験が行われているようです。

      ”治験患者の中には、リジェネロン製薬会社のアトピー専用生物薬、デュプリマブ治験を終了した後、Leo社の治験に参加される方もいます。”
      ということです。

      もし詳しい情報をお知りになりたいようでしたら、直接コンタクトすることも可能ですので、お問い合わせフォームよりご連絡頂けます様、宜しくお願い致します。

  • R Y さん

    はじめまして!
    コメントありがとうございます。

    >デュピルマブの治験に参加されたとのことですが、他の治験のお声がけとかあったのでしょうか?

    私は、大学病院で治験に参加しています。
    参加するにあたって、私の主治医であった米国の医師に紹介状(正確には診断書)を書いてもらいました。大学病院の初診時にその診断書を持参しました。その後、検査や診断を経て大学病院側が私の治験参加の判断をしました。
    私の場合は、米国の医師からデュピルマブ治験への参加を勧められてましたので、その旨は診断書にも書かれていました。なので、他の治験を勧められることはありませんでした。

    >また似たような製剤でトラロキヌマブの治験が始まったみたいですが、そちらに継続して参加するとかもできるのでしょうか?

    トラロキヌマブ治験の詳細はわかりませんが、同じIL-13を標的としている。重度の喘息やアトピー性皮膚炎を対象にしているようです。
    デュピルマブ治験の参加条件にも記載していますが、「治験参加以前に生物製剤を一定期間使用していたことがある」という方は参加出来ないことになっています。
    一定期間とはどの程度なのか、にもよりますが、生物製剤を使用した治験に参加していた場合、同じく生物製剤を使用する新たな治験への参加は難しくなるのではないかと思います。
    正確にお答えすることが出来ずに申し訳ありませんが、私の場合は、今後新たな治験に参加する予定は今のところありません。

  • はじめまして。
    デュピルマブの存在を知ってから毎日のように関連情報を調べてますがあまり情報がなくてこのようなブログはとてもありがたいです。
    私も長年アトピーに悩まされ、デュピルマブに興味津々です。まだ効果については半信半疑ですが、期待もしてます。
    これからも拝見させていただきます。では!

    • うしさん

      はじめまして!
      コメントありがとうございます。

      私自身もこれまでいろんな治療をしてきましたので、アトピーの辛さは身に染みて理解できます。普通の人達と同じように生活するだけでも本当に大変ですよね。

      デュピルマブについては、治験に参加して以降、日常生活に支障をきたすことは勿論、浸出液が出るような目立った悪化はしたことはありません。それほど安定して継続できています。

      また詳しい事はブログでお伝えしていきますので、今後とも宜しくお願い致します。

  • 石村さんへ

    はじめまして、コメント失礼いたします。
    私もアトピー歴30年です。
    通算700日以上の入院、全身包帯、車椅子移動、介助入浴、全身ドロドロ、寝たきり1年などなど、人生の半分以上をアトピーとお付き合いしております。(笑)

    デュプリマブや後発の新薬にも期待しております。

    実際に治験を受けた方の情報は本当に有り難いです。
    本当に感謝しております。

    今後も拝見させていただきます。

    • 吉田さん

      初めまして!
      コメントありがとうございます。

      大変ご苦労されきたようですね。
      心身共にお辛い状況だと思いますが、私も似たような経緯ですのでお気持ち十分理解できます。

      アトピーと一口にいっても人それぞれで、自分に合った治療法を探すのは本当に困難ですよね。

      私も今回の治験はたまたまタイミングがあったので参加できたのですが、治験が終了した後の事は全く未定です。

      今後はデュピルマブ以外にも、続々と新しい薬が出てくるようですので、情報を集めておくのもいいかもしれませんね。

      私もデュピルマブ治験が残すところあとわずかになってきましたので、また随時新しい情報を更新していきたいと思いますので

      どうぞ宜しくお願い致します。

  • 初めてブログを拝見しました!私も重度のアトピーです。今回のアトピー性皮膚炎の新薬は期待しています。なので、こういった体験談は非常に有難く参考になります。治験終了後の経過はどのような症状ですか?治験終了後は標準治療に戻られましたか?新薬をきっかけに脱ステロイド・プロトピックが出来れば最高ですけどね!

    • ニコちゃんさん こんばんは!

      >治験終了後の経過はどのような症状ですか?
      現状は最終投与から1か月後の経過報告の記事とほぼ変化はありません。
      ただ、花粉症の時期になりまして、目の痒みだったり鼻水といった症状が時々あります。

      >治療終了後は標準治療に戻られましたか?
      治験終了後、通常診療に切り替わりましたが、処方されている薬(ステロイド・保湿剤)は治験時(デュピクセント使用中)と変化はありません。
      デュピクセントについては、薬価・処方時期等はまだ未確定となっています。

      >脱ステ・プロトピックが出来れば最高ですね!
      完全に立つというよりは、症状に応じて必要な時に正しく使うことが求められますし、それがとても大切です。
      出来るだけ使わずに済ませたいですし、漫然と使い続けることは避けたいですよね。

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

    ABOUTこの記事をかいた人

    アトピー歴30年  2015年7月  Dupilumab 第3相治験(盲検試験) 開始 2015年12月 Dupilumab 第3相治験(非盲検試験)  2017年10月現在 治験継続中 2017年12月 実薬投与終了 2018年02月 治験は全て終了しました