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Dupilumab第Ⅲ相試験(二重盲検プラセボ対照試験)の概要
世界で約160の医療機関から、約600人程の患者が参加する。日本では約96人の患者が参加する(2015年6月時点) 本試験(二重盲検プラセボ対照試験)は治験医師、患者ともに投与される治験薬の内容について知らされていません。
治験薬Dupilumabついて
Dupilumabは、外用処方薬では十分な管理ができないか、外用処方薬が望ましくない中程度から重度のアトピー性皮膚炎の成人患者にたいして投与される。
Dupilumabは「完全ヒト型」の抗体という種類のひとつです。抗体とは、通常細菌やウイルスと戦うために私たちの体の免疫システムが作る、特別な種類タンパク質です。
Dupilumabが、炎症に関与していると考えられるインターロイキン4(IL-4)及びインターロイキン13(IL-13)という体内物質の炎症経路の阻害をすることでアトピー性皮膚炎の炎症を抑制する可能性があると期待されています。
治験の期間について
・スクリーニング(-35日~-1日)
・ベースライン(初回投与日)の翌週(w1)から起算して16週間(w16)
・フォローアップ期間(追跡期間)として3か月
最長で8か月間となる
※私の場合は、フォローアップ期間はなく、オープンテストに入ることが決まりました。
治験の参加者について
◆治験の参加条件
・年齢18歳以上
・3年以上アトピー性皮膚炎に罹患し、重症度が治験の基準を満たすこと
・アトピー性皮膚炎の罹患した体表面積が10%以上
・皮膚に使用するアトピー性皮膚炎薬を使用しても十分な効果が得られない場合
・ベースライン直前の少なくとも連続7日間以上、一定量の保湿剤の1日2回塗布していること
・治験に関する規則や手順を遵守できる方
上記すべてを満たす事
◆治験に参加できない場合
・過去にDupilumab治験に参加したことがある
・ベースライン前4週間以内に免疫抑制剤、免疫調整薬、光線療法による治療を受けた
・ベースライン前1週間以内に外用ステロイド剤又はカルシニューリン阻害剤による治療を受けた
・リツキシマブ(リツキサン)等の生物製剤による治療をベースライン前に一定期間受けたことがある
・スクリーニング期間中に保湿剤の使用を開始した
・ベースライン前4週間以内に日焼けブースや日焼けサロンを定期的に使用していた
・ベースライン前12週間以内に生ワクチン接種を受けた
・ベースライン前2週間以内に治療を有する活動性の感染症がみられる
・ベースライン前1週間以内に表在性皮膚感染症がみられる
・ヒト免疫不全ウイルス(HIV)やその他免疫抑制の既往がある
・スクリーニング前検査においてB型肝炎ウイルスまたはC型肝炎ウイルスの感染がみられる場合
・スクリーニング前5年以内に悪性腫瘍になったことがある
・コントール不良または重度の合併症がある
・妊娠中または授乳中、あるいは治験中にその予定がある
等々
上記の基準にひとつでも当てはまる場合
治験薬の投与について
治験薬(Dupilumab または プラセボ)を毎週皮下注射する。
あらかじめ治験薬が充填されている日本ではまだ未承認の注射器を使用する。
投与群について
・Dupilumab 300mg 週1回投与群
・Dupilumab 300mg 2週間1回投与群
(※Dupilumabを投与しない週は、プラセボ投与)
・プラセボ投与群 週1回プラセボ投与
ベースライン(初回投与日)は2回注射を行う。Dupilumab投与群に割り当てられた場合は、初回投与量は600㎎となる。
副作用について
上記は、プラセボ群に比べてDupilumab投与群で多く見られる副作用です。
追記:Dupilumab第Ⅲ相試験(SOLO1 二重盲検試験)について
現在は、二重盲検試験は終了してオープンテスト(実薬投与試験)に参加しております。後日、治験担当医師よりプラセボ投与群に割り当てられていたことを知らされました。二重盲検試験中のアトピー性皮膚炎の状態やオープンテストに参加してからの症状の変化については今後の記事で詳しく書いていきたいと思います。
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