デュピルマブの新規承認が了承されました!
厚労省第二部会、アトピー性皮膚炎に対する初の抗体医薬など承認を了承
サノフィのIL4受容体αサブユニットに対する抗体
今後の流れは!?
ついに、デュピルマブが国内でも承認されることになりました。
承認後は、ガイドラインの作成や薬価算定が行われ、保険適用される見込みです。では、アトピー性皮膚炎治療で保険適用された場合、その薬価や適用範囲はどうなるのでしょうか!?
デュピルマブの価格は!?
やはり一番気になるのが新薬の価格です。
よく比較されるのが、同じ炎症性の皮膚疾患である乾癬の治療薬「商品名:ヒュミラ」(一般名:アダリムマブ)の薬価です。
尋常性乾癬及び関節症性乾癬に対して使用されるアダリムマブは、基本的に「初回80mgの皮下注射、以降2週間に1回、40mgを皮下注射する」となっています。
ヒュミラ40㎎シリンジ0.4ml:65,144円
一ヵ月の薬代が130,288円(2本分)となります。
これを3割負担で受けることになれば、月額39,086円(薬代のみ)
同じく、乾癬治療の治療薬「商品名:ステラーラ」(一般名:ウステキヌマブ)
1回45mgを皮下投与します、初回投与およびその 4週後に投与し、以降は12週間隔で投与する。
ステラーラ45mlシリンジ:438,739円
一月換算すると、146,246円となります。
デュピルマブに関しては、これらと同等の薬価になると予想されており、月額150,000円前後、患者3割負担で45,000円前後となるのではないかと見込まれています。
しかしながら、薬代以外にも、さらに診療料や処方料、在宅自己注射管理指導料、各種検査費用等が掛かってきますので、月額医療費はかなり高額になると思われます。
デュピルマブは誰でも使えるの!?
デュピルマブは中程度から重症の既存治療では十分効果が得られないアトピー性皮膚炎の患者を対象としています。(現在、コントロール不良の難治性喘息の治験も行われています。)今回はアトピー性皮膚炎での承認となりました。
さて、薬価の次に気になる点は、
デュピルマブはどういった患者が使えるの?という事です。
・成人(18歳以上)の患者であること
・中程度から重症の既存治療では十分な効果が得られない患者であること
これら2つの条件は間違いないでしょう。
年齢に関しては、小児(6ヶ月未満から11歳)や中程度から重度の青少年(12歳から17歳)患者を対象とした臨床試験も行われているそうです。
次に、アトピーの重症度についてですが、
こちらもこれからのガイドラインで判断基準が明確になると思いますが、厚労省は年々増大する医療費の抑制に取り組んでいます。特に生物製剤にかかる費用は膨大で、医療の進歩が進むにつれて、その医療費はますます膨らんでいくと思われます。
例えば、
つまり、薬の適用範囲が拡がるとそれだけ助かる患者が増えるのに対して、医療費はどんどん膨らんでいくというジレンマに落ちいってしまうということです。
そこで、厚労省は
「薬事承認された効能・効果の一部のみを保険収載する」
「高額薬剤の機能や効能に応じた、きめ細かなルール設定」
「高額薬剤の効能・効果追加、患者数拡大に応じて薬価の期中改定」
以上を、高額薬剤を使用することによる将来的な医療費の削減や新しい薬の開発に対する企業の意欲低下等を勘案しながら議論を進めているそうです。
以上を踏まえて、デュピルマブについて考えてみると
既存の治療で充分な効果を得られない中程度から重症の患者とは!?
つまり、
・ランクの強いステロイド外用薬
・経口ステロイド薬
・免疫抑制剤(シクロスポリン)
これらを適切に使用しても、継続して安定した状態が得られないような患者を対象とする
のではないかと思います。
軽度のアトピーや既存のステロイド治療でコントロールできる様な場合は対象にはならないのではないかと考えます。上記でも書いた医療費の問題を踏まえるとごく限られた一部の患者を対象とするのではないでしょうか。
まとめ
・デュピルマブは来年1月には承認認可が下る見込み
来年春ごろには一部の大学病院等で処方される見込み
・薬価は、月額150,000円前後(3割負担の場合50.000円前後)の予測
一部では3割負担で100,000円程度という情報もあります。
・成人の重症度が高い患者(ごく一部の限られた患者が使用できる?)
今後ガイドラインが作成されていきます。
※全ては未確定の情報です、あくまで参考程度に
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